1/23/00
目の前をセスナが離陸していく。セスナにはさっきまで一緒に飛んでいたデリックが
乗っている。実はさっきのジャンプで彼がカットしたのだ。それが運悪く、さとうき
び畑のほうに、フリーバック゛とともに落ちてしまったのだ。さとうきびは収穫前の
時期で3メートルは超えている。地上から探したのではとてもわからないので空から
の捜索となったのだ。
彼とは20本近く一緒に飛んでいるのでとても心配。
1000ftの高さから何度も旋回して探していたのだが結局見つからない。その高
さから見つけるのは困難のようだ。彼は意を決してさとうきび畑に分け入ることにす
る。僕も気の毒なので一緒に探してあげることにする。メインが着地する十数秒前ま
では目で追っていたということなので、その当たりの場所から探すこととなる。ただ
その時は風がかなり強かったのでどのあたりまで流されたかは定かではない。
ここはいわゆるアメリカの典型的な巨大農場で、地平線まで農場という具合だ。
目の前をそびえ立って、うっそうと生え茂っているさとうきびを見ていると圧倒される。
さとうきびの幹は硬く太く、足元から縦横無尽に生えており、足を一歩踏みすすめるのにも
苦労する。藤岡のブッシュをさらにひどくしたものだ。ここは蛇も出るらしいからか
まれでもしたらと思うとちょっとこわい。二手に分かれて分け入りながら手伝うなん
て言わなけりゃよかったなという思いが一瞬頭をかすめる。
先の方が全然見えないので文字通りくまなく探さないとだめのようだ。しかし畑に
入ってから15分後全くの偶然でメインが見つかる。たまたま彼が僕のいる場所に合
流しようと戻ってきたときに見つけたのだ。こんなにも早く見つかるとは予想だにし
なかったので彼の喜びようと言ったらなかった。メインはかなり絡み合っていたので
広がらずに直線のように空から落ちていったようで背の高い一本のさとうきびに引っ
かかっていたのだ。空から探しても見えないわけだ。フリーバックも近くに落ちてい
るはずだからと再び捜索を開始した。
今度はなかなか見つからない。1時間近くしてから彼がまた合流してきた。なんか様
子がおかしい。どうやらフリーバッグを探すためにメインを地面に置いといたらしいが
それがどこかわからなくなってしまったらしい。おい、いいかげんにせい!
「パニックしないようにしよう。」と彼が言う。パニックしているのはおまえだろ!
やむなくメインを再び探すことになる。このころにはかなり疲れてきた。1時間もさ
らに探したが見つからない。メインはご丁寧なことに、たたんで置いたそうだ。
よけい探すのが難しいだろ!
2時間以上もこんなことやっていると、だんだん南方島のジャングルをさまよってい
る日本兵になったような気持ちになってくる。ところが突然フリーバックを見つけた。
ここで再び意気が上がる。それから1時間してようやくメインを僕が見つけた。
このときのデリックはまさに狂喜していた。そしてぼくのことをさも命の恩人かのように
感謝する。
あまりに興奮ぶりに彼はDZに戻ってから人を見つけるごと「Toraのおかげだ!」と
言ってさきほどの捜索の様子を相手が忙しくてほとんど聞いていないのに10分ぐらい
かけて話している。おかげで他のジャンパーから超善人のように思われてしまって
ちょっとはずかしい。本当は途中で帰りたかったけれど言い出せずにいたのに。

ここSkydive AmericaはいままでいったDZの中で一番親しみを感じたところだけれど
唯一の欠点はカットしたらメインがなくなりやすいことかもしれない。
目の前はワニのいる巨大な湖があって後ろにはブラックホールのようなさとうきび畑
が広がっている。
それを思うとちょっとカットしたくないな。

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