それは数日前の出来事。
その日は風が大変強く上空風が72ノットも出ていたときだった。
ジャンプランにはいるとなかなか機体が前に進まなく、ジャンプする間隔を相当あけ
なければ前のジャンパーとぶつかる危険性があった。ぼくの後のジャンパーが12秒
ぐらい間隔をあければいいかと聞いてきたのだが、これだけ風が強いことはめったに
ないし、その時々によって風の強さも変わってくるので、「12秒じゃ短すぎると思
う。ぼくがジャンプした後ぼくとの間隔が充分間隔があいたのを確認してからジャン
プしたほうがいい。」と答えた。
そうこうしているうちに自分の番が来てジャンプする。3wayをこなして3000
ftでオープンする。DZの方へキャノピーを向けようとしたその瞬間、
バサバサバサーッと、ものすごい音が聞こえる。
と同時に、黒い物体が目の前を弾丸のような速さで上から下に通過していく。
何事かと思って下を見ると500ftぐらい下で黒いものがぱっと花開いた。
キャノピーだ!
さっきのやつだ!
と同時に背中がぞくっとする。
自分の後から出たジャンパーが僕の2〜3m前を少なくとも時速150km以上のスピード
で通過していったのだ!直撃してたら間違いなく死んでいただろう。
胸の鼓動がおさまらない。
「仏のとらじ」といわれた僕でもこの時ばかりは違った。
恐怖と怒りの混じったいやな気持ちだ。
割と高くで開いたので下に下りるまで気持ちを落ち着かせようとするのだが、なかな
かおさまらない。
ランディングは怒りのフックターン。
右フロントライザーをガツンと引いて180度回転しながら急降下。
ランディング直前にトグルをちょっと引いて傘を平行にし、地面をすべるように通過
して着地。思いのほかよく決まった。やったー!と一瞬すごくうれしい。
しかし10秒後にはあのニアミスを思い出し、また怒りがわいてくるが少しは気がおさまった。
後で本人に聞いてみると15秒ででたらしい。
よくよく考えてみると僕が的確な答えをしなかったのが悪いのかもしれない。
でもこういうことを防止するためにも初心者に対しての教育を十分にする必要性も感じた。
この事件以来、ぼくは頭上恐怖症になってしまった。自分が開いた後、後ろのジャン
パーが上から落ちてこないか上をどうしても確認してしまう。
ついきのうも自分の2組後のジャンパーが僕の頭上で傘をオープンさせていた。
ああ〜恐ろしや。
皆さんも頭上からの落下物には気をつけよう。

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